2016年9月22日木曜日

二輪免許制度および原付の速度規制に関する警察庁への20の質問と回答

「ゲッカンタカハシゴー」第3ゴー(2015年7月24日発売)で、「2020年にはバイク国内販売100万台」という業界目標を打ち上げている経済産業省に対し、その実現可能性についてインタビュー取材した。2015年6月当時、経産省としては「思うように進んでいない」とのことだったが、その大きな障害と捉えているのは、主に若年新規層の取り込みに際して重要となる、小排気量車の二輪免許制度や規制のあり方だった。

簡単に言ってしまえば、「安い小型二輪車があっても、免許を取りづらいから若い人たちがバイクに乗ろうとしない。原付があっても、30km/hの速度規制を始め不便があるから、やはり乗ろうとしない」という話だ。これは経産省のみならず、バイク業界の中からもよく聞かれる声である。

そこで免許制度や原付の速度規制などについて、総本山である警察庁に問い合わせ、文書による回答を得た。これらは「ゲッカンタカハシゴー」第3ゴーの誌面にも掲載したが、紙幅の都合上、ごくごく一部となった。ここでは、当方からの質問、および警察庁からの回答を、いずれも原文のまま掲載する。

この質疑応答を行った率直な理由は、誌面作りにあたり「考えるための材料を得たかったから」だ。原付を含めた小排気量車を取り巻く現状、および将来的な免許制度ならびに規制等変更の可能性についての調査のためである。僕(ライター・高橋剛)自身は、少なくともこの質問を警察庁に投げかけた時点では、一切の偏りを持っていない。また、あくまでも思考のための素材集めであり、原付の抱えるすべての問題について問い合わせたわけではなく、主には原付の免許制度や速度規制に関するほんの一端であることをご了解いただきたい。

長い質疑応答なので、先にまとめと僕自身の見解を記す。……と言いつつ、僕の見解自体が長いことはどうかご了承ください。いつものことなんで。なお回答は、2015年7月9日に警察庁広報室よりFAXにて送信されてきたもの。この文章自体は、2016年1月に書いてあったものである。

【まとめ】
警察庁は、原付の免許制度や規制に関わる現状に対して問題や課題を感じておらず、内部的に変更や緩和が検討されているという事実もない。

【回答を読んでの、ライター・高橋剛の見解】
警察庁の回答は、簡単にまとめればこんな内容になる。

「原付は小さくて簡単に乗れる乗り物だから、免許取得は容易。その分、最高速は30km/hに抑えている。データからしても、最高速を高めることは事故多発につながる怖れがある。だから今のままでいい」

その根拠であるデータとして回答中に挙げられているのは、以下の通りだ。

・平成26年中、原付免許で運転することができる総排気量50cc以下の原動機付自転車1万台当たりの交通事故件数は、77件。
・運転に普通二輪免許を要する総排気量が50cc超125cc以下の普通二輪車1万台当たりの交通事故件数は、102件。
・平成26年中の原動機付自転車が第一当事者となった交通事故の発生状況を見ると、危険認知速度が30キロメートル毎時超の交通事故の死亡事故率は、30キロメートル毎時以下の死亡事故率の約3倍。

まとめると、こうなる。

原付(50cc以下)の1万台あたりの事故発生率は、0.0077%。一方、小型二輪(50cc超125cc以下)は0.0102%と、約1.3倍にあたる。また、原付の危険認知速度が30km/hを超えた時の死亡事故率は、30km/h以下の場合の約3倍である。

バイク業界としては、当然、「規制緩和」の方向性を狙う。少しでもバイクへの玄関口を広げることで、業界隆盛という理想に向けての弾みにしたい。しかし警察庁が掲げるデータは、厳然とした現実として、理想の前に立ちはだかる。

ただし、これらのデータはより精密に見直し、掘り下げる必要がある。1万台あたりの交通事故件数の内容や事由については触れられていないし、特に危険認知速度(事故直前速度とも言われる)のくだりには「原動機付自転車による事故の被害が大きくなる(質問12および13への回答)」とあり、ここでの「死亡事故率」とは原付乗車者が相手を死亡させた事故の数字であって、原付単体での速度上昇に伴う危険度向上とは切り分けて考えるべきだ。

しかし、警察庁が「バイクが大型化するほど、そして速度が上がるほど、リスクが高まる」と捉えていることは、はっきりしている。だから、小型二輪免許の取得容易化も検討していないし、原付の速度規制緩和も考えていない。

これは実に強力な「現実の壁」だと僕は思う。この揺るぎない壁を突き崩して、「リスクは高まるが緩和しろ」というのは、極めて困難だ。

警察庁の回答の中でたびたび繰り返されるのは、「原動機付自転車が車格・総排気量が極めて小さく、運転操作も他の二輪車に比べて容易で、比較的気軽に運転できる車両として広く国民に定着している」という文言だ。

「簡単容易気軽だからこそ、原付免許は学科のみもしくは四輪免許への付帯で簡単に取れる。でも危ないことには変わりないから、30km/hで我慢しなさい」というのが警察庁の見解なのだ。「国民の皆さんも、だいたいそう思ってるでしょう?」と言っている。

バイク業界やバイク乗り側からは、「30km/hでは交通の流れに乗れない」「車に抜かれるのが怖い」「すぐ捕まる」などの意見もある。しかし警察庁は、「それらの問題は、原付の速度を上げて解消すべきことではない。なぜなら規制速度を上げることは、原付のリスクを高めることでしかないからである」という鉄壁の理屈でそれらを跳ね返す。

そもそも、考え方が逆だ。原付は、30km/hの規制速度を条件に、「特例として」簡単に免許が取れるようになっているのだ。もしどうしても原付の規制速度を上げるなら、当然その特例は外され、今のように容易に免許を取ることはできなくなるだろう。それはバイク業界にとっては、首を絞めることになるとしか思えない。

数多の交通事故に対応している警察庁が手にしているのは、「バイクが大型化するほど、そして速度が上がるほど、リスクは高まる」という、極めてシンプルな公式だ。そしてバイク乗りなら誰もが、それが事実だということを直感し、納得できると思う。二輪における30km/hと60km/hは、リスクにおいても、また、乗り手に求められる技量においても、相当な開きがある。ただ直線だけを走っているのならまだしも、コーナー、市街地など、交通の状況は幅広く複雑なのだ。

「バイクが大型化するほど、そして速度が上がるほど、リスクは高まる」

警察庁が手にしているこの公式に当てはめれば、小型二輪免許取得の簡易化も考えにくい。「バイクが大型化するほど、そして速度が上がるほど、リスクは高まる」という事実を握りしめている警察庁が、車格・排気量が大きくなり、当然、スピードも出やすい小型二輪の免許を簡単に取れるようにするというのは、想像がつかない。事実、質問6〜9に対して、「125cc以下の免許取得容易化といった免許制度の見直しについては交通安全上適当ではない」と明言している。これを覆すには、相当な理由と説得材料が必要だろう。

いくら諸外国の事例を掲げても、「広く国民に定着している」=日本の常識である、という警察庁の見方の前に、ほとんど意味をなさない。日本には日本の風土歴史というものがある。長い時間をかけて培われた常識を覆すのは、並大抵のことではない。

……ここまでの話は、あくまでも警察庁の見解に基づいている。警察庁の見解が絶対だとは、僕はまったく思っていない。先に挙げたように統計の読み解き方はもっともっと精査の必要があるし、下記回答を読んでもらえれば分かるが「のらりくらりとかわしたな」と感じる部分も多い。しかし、「公共の安全と秩序の維持に当ることをもつてその責務とする(警察法第二条)」ことが原則の警察の言い分には、いったんは冷静に耳を傾けるべき重みと説得力がある。

そのうえで、今ある常識を覆すべき妥当な理由があるなら、あらゆる手段を使って覆すべきだと思っている。しかし問題は、なぜ常識を覆すのか、という理由だ。もし、「安全」「安心」「快適」「便利」などのように、誰もが希求する理想の実現のためなら、多くの賛同が得られ、やがて常識を覆せる可能性は高い。しかし、理由が利益を得ようとする業界の思惑──我田引水に過ぎないとしたら、あるいは、それが透けて見えてしまうようでは、賛同を得ることは難しい。業界の利益が社会全体の利益に密接に関わっていない限りは。

下記質問15で、自転車に幼児をふたり乗せる=自転車の3人乗りが可能になった経緯を簡単に尋ねている。これなどはまさに交通にまつわる規制緩和の一例だが、僕の私見では、「子供のいるお母さんの利便性向上」という圧倒的絶対的な利益が大前提だったからこその緩和実現だったのだと思っている。

お母さんの利益(=事実上の社会利益)を現実するために、業界が安全性を向上させた自転車を開発し、それが大いなる説得材料となって規制緩和につながった、という流れだ。もちろん自転車業界は、規制緩和に向けて表裏含めてさまざまな活動をしただろう。結果的に利益も得たかもしれない。でも、それは「結果」だ。表向きは、あくまでも社会利益(と多くが認める事柄)のための規制緩和であって、だからこそ実現したのである。

極めて重要なのは、お母さんが個人的に楽しむための規制緩和ではない、ということで、ここが趣味としてのバイクとの根本的な違いなのだが、話が逸れつつ果てしなく長くなるので、自転車の話はここまでにしたい。

バイク業界が第1に考えなければならないのは、業界を繁栄させるための施策ではない。バイクユーザーの、そしてこれからバイクユーザーになってくれる人たちの利益だ。免許制度の見直しは、果たして本当にバイクユーザー(および予備軍)の利益になるのか。警察庁の言い分やデータを飲み込みながら、じっくりと考える必要がある。

バイク業界の端くれにいる僕としては、もちろん、業界の繁栄を願っている。だが、そのための方策として免許制度の見直しが妥当だとは思っていない。もし免許制度を見直すなら、警察庁の見解のような鉄壁の理屈を突き崩すだけの社会的理解、あるいは圧倒的理論武装が必要だが、僕にはまだ、そこに至る決定的な突破口を見つけられていないのだ(もし見つかれば、声高に免許制度見直しを訴えるだろう)。

原付の30km/h規制が解かれた時、あるいはより大きな排気量のバイクにより簡易に取得できる免許で乗れるようになった時、いったい何が起こるのか。それが本当にバイクユーザーの利益になるのか。仮にバイクユーザーの利益になったとして、それが社会全体にどう影響を及ぼすのか。想像すればするほど、難しいことに思える。

けれど、想像しなくてはならないと僕は思っている。バイクから、できるだけ先を見通すことの重要性を教わった身としては。

──────二輪免許制度および原付の速度規制に関する警察庁への20の質問と回答──────

(1)原付免許は、取得者にどのようなメリットがあるとお考えですか?
(2)原付免許には、どのような課題があるとお考えですか?(取得が容易すぎる、難しすぎる、区分に問題があるなど、何かしら考慮・検討している点があるかどうか)。

(回答)
自動車の運転は、それ自体危険を伴う行為であることから、事故実態や車両の特性に応じて必要とされる運転技能等に照らし、運転免許が区分されているところであり、総排気量50cc以下の原動機付自転車を運転することができる免許として原付免許が設けられています。
原付免許については、原動機付自転車が車格・総排気量が極めて小さく、運転操作も他の二輪車に比べて容易で、比較的気軽に運転できる車両として広く国民に定着していること、道路交通法上の原動機付自転車の最高速度が時速30kmとされていること等を踏まえた免許制度となっており、特に見直すべき課題があるとは考えておりません。

──────

(3)現行の原付免許となったのは1965年(昭和40年)と、いまから50年前のことですが、その当時と現在を比較して交通事情および運転者の意識はどう変化したと捉えていますか?
(4)(3)の回答を踏まえて、その変化に現行の原付免許は合致しているとお考えですか?

(回答)
昭和40年当時は、自動車保有台数等とともに交通死亡事故が急増した時期であり、当時と比較すると、現在は、交通量の増加等に伴い交通事故件数等はやや多くなっていますが、この間に関係機関・団体等が連携し各種交通事故防止対策が推進され、国民の安全意識や規範意識が向上したことなどから、交通事故死者数は減少していると認識しています。
免許制度については、交通情勢や事故実態等に応じて、必要な見直しが行われてきたものと考えています。

──────

(5)道路交通法による区分と道路運送車両法による区分に差異があることを警察庁としてはどのようにお考えですか?(50cc超〜125cc以下は、道路運送車両法では第二種原付、免許区分では普通二輪小型限定)

(回答)
道路交通法は主として「交通の安全と円滑」の観点から、道路運送車両法は、「道路運送車両の安全性の確保」の観点から、それぞれ各種の規定を設けているものであり、原動機付自転車を含む車両の区分についてもそれぞれの法律の目的・趣旨に即して定められているものと考えています。

──────

(6)二輪免許制度見直し、例えば125cc以下の免許取得容易化は、警察庁内で検討されている事項でしょうか?
(7)検討されている場合、その方向性は「原付免許の範囲拡大(現行の原付免許に近い免許で125ccまで乗れるようになる)」か、それとも「普通二輪小型限定免許取得の容易化(教習時限の減少など)」でしょうか。
(8)検討されていない場合、その理由は何でしょうか?
(9)原付免許の範囲が拡大された場合(現行の原付免許に近い免許で125ccまで乗れるようになった場合)、どのような問題が生じるとお考えですか? また、その問題が解決されれば、実現の可能性は高まるのでしょうか?

(回答)
平成26年中、原付免許で運転することができる総排気量50cc以下の原動機付自転車1万台当たりの交通事故件数は77件であるのに対し、運転に普通二輪免許を要する総排気量が50cc超125cc以下の普通二輪車1万台当たりの交通事故件数は102件と多くなっています。
また、道路交通法上、道路標識等により最高速度が指定されていない場合に高速自動車国道の本線車道以外の道路を通行する場合の最高速度は原動機付自転車の最高速度は時速30kmであるのに対し、普通二輪車は時速60kmとされており、普通二輪車は原動機付自転車よりも高度な運転技能が必要です。
このような状況から、お尋ねのような「125cc以下の免許取得容易化」といった免許制度の見直しについては交通安全上適当ではないと考えています。

──────

(10)(3)の回答を踏まえて、その変化に、原付にのみ適用される道路交通法は合致しているとお考えですか?
(11)取り締まりによる摘発や事故事例の傾向などにより、現在の原付免許制度ならびに原付のみに適用される道路交通法にはどのような課題・問題点・検討事項があるとお考えですか?

(回答)
道路交通法については、交通情勢や事故実態等に応じて、必要な制度の見直しが行われてきたところであり、原動機付自転車に関する規定は、原動機付自転車が車格・総排気量が極めて小さく、運転操作も他の二輪車に比べて容易で、比較的気軽に運転できる車両として広く国民に定着していること等を踏まえたものとなっていると考えています。

──────

(12)「原動機付自転車」は、その名が示す通り、本来はエンジンを載せた自転車を指すもので、1952年(昭和27年)に区分され、その当時に30km/hの最高速度が制定されました。その最高速度30km/hは、63年後の今も妥当な速度とお考えですか? その場合、その根拠は何でしょう?
(13)原付の最高速度30km/hは、改正(引き上げ)すべき事柄として内部的に検討されたことはありますか?

(回答)
原動機付自転車については、車格・総排気量が極めて小さく、運転操作も他の二輪車に比べて容易で、比較的気軽に運転できる車両として広く国民に定着しており、運転免許の取得に際して技能試験が必要とされていないこと等を踏まえ、その安全を確保する見地から、自動二輪車等と比較して低い最高速度が設定されています。
平成26年中の原動機付自転車が第一当事者となった交通事故の発生状況を見ると、危険認知速度が30キロメートル毎時超の交通事故の死亡事故率は、30キロメートル毎時以下の死亡事故率の約3倍となっており、最高速度の引き上げを行えば原動機付自転車による事故の被害が大きくなることが予想されることなどから、原動機付自転車の法定最高速度を引き上げることは交通安全上適当ではないと考えています。

──────

(14)人力で動く自転車は車両扱いで、法定速度は自動車と同じであり、規制がなければ最高速度は60km/hです。一方、エンジンで動く原動機付き自転車の最高速度は30km/hです。このことの妥当性をどうお考えですか?

(回答)
最高速度規制を含む道路交通法の規制は、それぞれの車両に応じ、通行実態や事故実態を踏まえ定められているものと考えています。

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(15)2009年(平成21年)、道路交通法の一部改正により、安全基準を満たす自転車に限り「幼児ふたり乗りの同乗」すなわち「3人乗り」が解禁されましたが、改正前の懸念事項と実際はいかがだったでしょうか?

(回答)
自転車の前後に幼児二人を乗せて運転する行為は、走行時の安定性などの問題があったところですが、平成21年4月に警察庁に設置された「幼児二人同乗用自転車」検討委員会において、安全性に配慮した幼児二人同乗用自転車の要件等について取りまとめられたことを受け、各都道府県警察において公安委員会規則が改正・施行されたものであり、一定の要件を満たした幼児二人同乗用自転車については、幼児二人同乗が認められることとなったところです。

──────

(16)原付の速度違反検挙数は年間で何件でしょうか?

(回答)
平成26年中の原動機付自転車に係る最高速度違反の取締り件数は、114,097件です。

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(17)原付の事故件数と主な発生原因は何でしょうか?

(回答)
平成26年中の原動機付自転車が第一当事者となった交通事故件数は15,542件で、これを第一当事者の法令違反別で見ると、安全不確認(4,677件)、運転操作不適(1,649件)、脇見運転(1,357件)などが多くなっています。

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(18)警察庁には「交通事故抑制に資する取締り・速度規制等の在り方に関する懇談会」があり、高速道路に関しては「2013年12月に『設計上の最高速度が時速120キロかつ片側3車線以上の高速道路については時速100キロ超への引き上げを検討すべき』」と提言した」と報道されています。この「提言」の宛先はどこでしょうか? また、この懇談会において原付の速度規制について議題になったことはありますか?

(回答)
平成25年12月、「交通事故抑制に資する取締り・速度規制等の在り方に関する懇談会」において、「交通事故抑止に資する取締り・速度規制等の在り方に関する提言」が取りまとめられ、国家公安委員会委員長に提出されました。
同懇親会において、お尋ねの「原付の速度規制」については議題とされておりません。

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(19)警察庁には「規制速度設定の在り方に関する調査研究検討委員会」があり、高速道路に関しては「『規制速度が毎時100キロを上回ると事故率が増加する』と指摘」と報道されています。この委員会において、原付に関する調査研究報告はありますか? あれば、どのような内容でしょうか?

(回答)
規制速度決定の在り方に関する調査研究検討委員会において、原付に関する調査研究報告はありません。

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(20)原付の規制速度引き上げと、原付免許制度改正(現行の原付免許に近い免許で125ccまで乗れるようになる)と、どちらの方が実現可能性は高いでしょうか? また、その理由も教えてください。

(回答)
道路交通法の原動機付自転車に関する現行規定は、原動機付自転車が車格・総排気量が極めて小さく、運転操作も他の二輪車に比べて容易で、比較的気軽に運転できる車両として広く国民に定着していること等を踏まえたものとなっており、いずれも適切であると考えています。

2016年3月20日日曜日

第4ゴー、3月24日発売です。そして当ページ更新当面休止のお知らせ。

今頃、大日本印刷の精鋭たちが「ったく! 入稿遅ぇんだよ!!」とブーブー言いながらも、素晴らしい速さとクオリティで全力で印刷してくださっていることと思います。そのおかげさまを持ちまして、予定通り3月24日(木)に発売の運びとなりました。



一見過激なタイトルですが、自分たちなりのバイク愛でじっくり煮込んだ1冊になっていると思います。現時点ではオレは通しで読んでいませんが、きっと。間違いなく。

ところでこのブログ、ずいぶん長いこと放置してしまいました。しかも今後もさらに長いこと放置するものと思われます。

だってさ、現在「ゲッカンタカハシゴー」は、弱小雑誌のクセこいて、いっちょまえに公式ツイッターアカウント、公式フェイスブックページ、そしてこの公式ブログと3つのSNSを運用るんですよ。オレひとりで。

ムーリー!

というわけで、SNSをリストラクチャーし、オレの更新効率を高め、「放置している……」というずっと乗っていないバイクを眺める時と同じ申し訳ない気持ちもラクにするために、もっとも更新頻度の低い当公式ブログを今まで以上に放置することにしました。削除ではなく、放置というキレの悪さはお許しいただきたいのですが、当面、ココが更新されることはありませんので、何卒ご承知おきください(ただ、突発的かつ気まぐれに更新する可能性が否めないことも、お許しください)。

もし、万一、億一、兆一にでも、「そういやぁ、あの弱小雑誌はまだあんのかい? 存続しとんのかい?」と心配になった時には、下記、一生懸命頑張ってリンクを貼った公式ツイッターアカウント、公式フェイスブックページをご確認くだしあ。この「くだしあ」って誤字、すげえ多いんだよな。なんで「ください」を「くだしあ」って打っちゃうんだろう、と不思議で仕方ありませんが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

ゲッカンタカハシゴー公式ツイッターアカウント
ゲッカンタカハシゴー公式フェイスブックページ

ところで、ただいま絶賛印刷中のゲッカンタカハシゴー、最終ページには「次号は7月1日発売予定」などと書いてあります。……本気でしょうか? 本気なんだろうな。ヒー……。

2015年11月28日土曜日

第4ゴー、ノロノロと始動

第4ゴー、ノロノロと始動しています。企画も台割(雑誌の設計図)もありませんが、僕たちにはエネルギーがあって、その放散の方向性が概ね見えてきました。真っ赤な溶岩がドロドロと流れ始めた感じかな。こいつを冷やしながら、形を整えていきます。熱くてつらくてやっかいで、だから楽しみです。

つい今しがた、そうツイートしました。

現状、ご報告できるような「形になっている何か」はありませんが、形にしていく意志はかなり強固なものがあります。というのは、僕たちはバイクという乗り物に対して、バイクという乗り物を作っている人たちに対して、バイクという乗り物を伝える人たちに対して、かなりの危機意識を持っています。この乗り物がどうなっていくのか、どうしようとしているのか、どう伝えるべきなのか、真剣に考えたい。

今、僕たちは、ただ「バイクっていいね」「バイクって楽しいね」とだけ謳うこともできる。でも、もはやそれだけではバイクの未来は覚束ないようにも感じます。少なくともメディアの端っこにぶら下がっている僕たちとしては、些細な物事でも多面的によくよく考えたうえで、その物事に対する自分たちなりの意見を築き、そこに立脚した伝え方をしたい。

それが時には、「いいね」「楽しいね」かもしれない。でも時には、「いいね」「楽しいね」では済まないかもしれない。根本的にはバイクは素晴らしい乗り物だと思っているけれど、それだけでは済みそうにない。大好きなバイクや、バイクという乗り物を取り巻くあれこれに対して、「NO」と言わなければならない時があるかもしれない。でも、そこから逃げちゃいけないんだ。……きっと。

バイクに未来はあるのかどうか、分かりません。世の中の進む方向を大ざっぱに見定めれば、バイクが生き残る余地はほとんどないようにも感じます。生き残れる可能性があるとすれば、それは……。

てなことを延々考え、話し合いながら(=ファミレスに入り浸る)、それを雑誌という商売の形態に落とし込んでいくわけです。

んだよめんどくせーな、バイクなんて四の五の言わずに乗って楽しけりゃいいんだよ! はい終わり終わり。乗りに行くぞブホー。

……確かに。

でも僕たちは、いろいろ考えたいんだ。好きなんだよ、考えるのが(笑)。しょうがねーじゃん。それにさ、「バイクに乗り続けられること」を目標にすると、やっぱり今、まさに今、たくさん考えなくちゃいけないことがある、としか思えないんだ。

ま、一方で「るせーっ、ただ気持ちよく走っていられりゃいいんだよ!!」という思いも、もちろんあります。いずれにしてもアレコレいろんなことがあって、全体的にはグダグダしている。そのアレコレグダグダを、どーにか面白い雑誌としてひとつのパッケージにできないかな、と思ってるわけです。

何をテーマにして、何を、どう扱うか。先のツイートのように、具体的な事柄は何ひとつ決まっていません。でもいいんだ。全然いいよ、そんなの。だいたいの方向が決まってるからさ。あとは何とかなるよ。


これは9月にスポーツランドSUGOで試乗したYZF-R1M。エンジンがどうとか、ハンドリングがどうとか、そういうインプレ的な視野ももちろんあるんだけど、このバイクはそれ以上に考えなくちゃいけないことがある。作った人に聞いてみたいことがある。例えばまぁ、そんな感じ。

2015年9月7日月曜日

第4ゴー刊行決定

出るのか!
出ないのか!!

ハッキリしないことにかけては天下一品のゲッカンタカハシゴー。「どこが『ゲッカン』なんだ!」という以前の問題として、そもそも不定期刊行というあやふやさです。今風に言うなら、ゆるふわ?

そういえばファミレス編集会議において、加藤編集長もオレもなかなかメニューが決まりません。ピンポーンと呼び鈴を押し、店員さんに注文を取りに来てもらっておいて、「あ、いや、ちょっと待ってください。コッチもいいなぁ……。やっぱソッチもいいね……」などと忙しい店員さんをお待たせすることもザラです。

しかし先日、愛聴しているAMラジオで(サンバーの窓を開けてアンテナを手で伸ばしAMラジオを聞くって、なかなかの現場感ですよね!)「優柔不断は悪いことじゃない」という説得力満点の話を聞いて以降、今まで以上にファミレスにおける発注時間が長くなりました。

……何の話だっけ?

そうだ。第4ゴーを出すか、出さないかという話だ。丁々発止唯々諾々毒々モンスター(「々」が使いたかっただけ)の打ち合わせが行われたのは、9月2日夜のガストです。加藤編集長とオレにしては珍しく和やかなムードの中始まった会合では、第1〜3ゴーの反省点、生々しい売上げ、さらには今後の展望などが話し合われました。

序盤、加藤編集長はドリンクバーのみで、オレはドリンクバー&温泉卵のシーザーサラダ。すでに三栄書房からは「続けたら?」という弱々しくも前向きな意向を示してもらっているという話で、あとは加藤さんとオレの間で「どうすっか?」という状態でした。

廃刊か、継続か。休止か、続行か。年刊か、日刊か……。全方位から検討しました。売却も考えました(←ウソ)。何しろいろいろと問題児な雑誌だし、今後さらに問題児化しそうな気もするので、刊行に及んではさまざまな意味で覚悟や踏ん切りが必要です。加藤さんとしては「出したい」という気持ちはあっても、それが(特にオレに対して)どのような影響を及ぼすかを考えると、気軽に「やろうぜ!」とは言えないわけです。

彼は何だかんだ生活が保障されている会社員であり、オレは何ひとつとして後ろ盾のないフリーランスです。加藤さんが会社という保護カプセルの中から「やろうぜやろうぜ!」とけしかけて、フリーのオレを追い込むわけにはいかない、と。

でもさ、いいんじゃねえかと思うわけですよ。「やってみねえと分かんねえじゃん!」と後先を考えずに突撃するバカさ加減って、それこそバイク乗りっぽいなと。

バイクに乗るってこと自体、決して合理的かつ冷静な選択じゃない。どこかおかしくて、何か熱いものがあって、そして、完全にどうかしてるからこその選択でしょう。それってもう理屈じゃなくて、生き様そのものだよ。バイクに乗るような人間だから、バイクに乗るんだとしか言いようがない。だったら、おかしくて熱くてどうかしてるまま突っ走るしかないんじゃねえかと。

まあ、そんな話をグダグダしながら、いつしか加藤さんはトマトソーススパゲティを(確か)、オレは柔らかひれかつ和膳などを追加注文し、「じゃ、4ゴー目もやるか」という結論に達したのでした。

後日、改めて加藤編集長から「会社からも確定的GOサインをもらった。行くぞやるぞ!」と連絡がありました。「発売日は未定だけどな!」とも。

というわけで、第4ゴーを出すということは確定したものの、その他もろもろ未定な部分だらけなゲッカンタカハシゴーですが、ゆるふわ的に見守っていただけると幸いです。いろいろ決まり次第、あいや、なかなか決まらないことも含めて、グダグダと情報発信もしていく所存です。よろしくお願いいたします。

2015年7月28日火曜日

第3ゴー告知&内容紹介&次号について

ゲッカンの原稿を書き終えてヘロヘロになったところで外ロケが続き、そのまま鈴鹿サーキットに幽閉され、鈴鹿8耐終了後も取材続きで、水曜からはちょっくら渡英と、世の中の動きから完全に途絶しています。皆さんお元気でしょうか?「ゲッカンタカハシゴー・第3ゴー」、いまだに自分の手で実物を持っておらず、本当に実在するのか実感が持てません。

でも、ありがたいことに何人かの方が「買ったよ〜」「読んだよ〜」とツイッターなどで報告してくださったので、どうやら第3ゴーは無事7月24日(金)に発売されたようです。ありがとうございます。おかげさまで、こうして堂々と告知できます。愛と勇気の出版元・三栄書房のウェブサイトにも載ってます

相変わらず表紙はイラスト+キャッチコピー1本のみ。


例によって、表紙を見ただけではどんな内容かまったく分からないミステリアスな雑誌になっておりますので、目次にもとづきながら内容をご紹介してみたいと思います。7月28日(火)現在、本当にまだ実物を見ていない(!)ので、自分が書いたページ以外のことは詳しく分からなくてごめんなさい。

【P4-5】写真家・永島岳志のバイクのある日常
力のある若きカメラマン&編集者、永島氏の撮り下ろし写真。本誌の編集業務にも携わってくれている永島氏。まだ見ていませんが、きっと素晴らしい写真があなたの心をえぐることでしょう。

【P6-23】YAMAHA MT-09よ、なぜキミは売れているのか?
MT-09、売れてるんスよ。なんかよく分かんないんですよねー。いや売れるのはすごくイイことだし、イイバイクだとも思うんだけど、「えーなんでー?」って疑問が拭えなくて。というわけで、クエスチョンマークを頭にMT-09を走らせた「インプレゴー・MT-09に乗った」と、ヤマハのMT-09開発者や営業担当に話を聞いた「研ぎ澄まされた曖昧」の2本立て。うまく時代をつかんだ巧妙な仕組みが見えてきました。

【P24-50】特集「冒険」バイクで自分を切り拓け
加藤編集長が「第3ゴーの特集は冒険だ!」と決めた時、個人的には「どうかなあ」と疑問でした。「バイク」と「冒険」ってすごくベタな間柄なので。でも、取材に協力してくださった方たちや寄稿してくださった皆さんのおかげで、とても面白い特集になったのではないかと思います。

・P26-31 冒険家・風間深志の場合
「バイク」そして「冒険」と言えば、この方、風間さんをおいて他にいません。何しろバイクで北極南極エベレストに行っちゃった人ですからね。「バイクで」って言っても、ほとんど押していくわけですから、もうね、何考えてるんでしょうか。と、いうことで、何考えているのか聞いてきました。「冒険そのものについて」というよりも、風間さんのモノの見方・考え方、そして生き方についてイキイキと語っていただいています。率直でありながら非常に深い言葉の数々は、実体験をした人ならではのもの。話を聞き、書きながら、「ああ、バイクに乗るっていいもんだなぁ」「生きてるって素晴らしいなあ」と素直に思えました。

・P32-37 初代セロー開発者・近藤 充の場合
オフロードバイクがパフォーマンスを追いかけていた80年代半ばに、「のんびりとことこ、歩くような速度で楽しめるオフロードバイクこそ必要なんだ!」と思ってしまったヤマハの開発者、近藤さん。思っちゃったらしょうがない。「そんなの売れるわけがないだろう!」という逆風に抗いながら、職域を飛び越えて「自分が作りたいバイク」=初代セローを作ってしまいます。ニッポンのサラリーマンにあるまじきチャレンジングスピリッツは、まさに「冒険家」。その熱き心をダイレクトに表現したつもりです。セローを手放したことを後悔してます……。

・P38-43『ガルル』副編集長・櫻井伸樹の場合
本誌立ち上げの時からいろいろ協力してくれている櫻井氏の冒険譚。厳寒豪雪の真冬の北海道を、カブで走っちゃったというお話のようです。まだ読んでいませんが、バイク乗りなら誰でも持っている冒険心がくすぐられるはずです。

・P44-49 編集者&写真家・永島岳志の場合
まだバイクの免許を持っていない永島氏ですが、自転車で世界各国を放浪したというツワモノです。ここではその自転車冒険譚を披露してくれたようです。まだ読んでいませんが、2つ輪っかの乗り物で冒険することの意味に鋭く迫っているはずです。

・P50 SPIRIT OF ADVENTURE
えーと、冒険の締めくくり的な何かを書きました。確か……。

【P51-77】ゲッカンタカハシゴー的 魂のライテク
「ライテク」って何だろうって、よく考えるんですよね。「ライテク」の多くは、実は公道にはほとんど不要なスポーツテクニック、もしくはレーシングテクニックじゃねーかと。モロに言わなくても、「ライテク」って、「速くなること」「うまくなること」が大きな目的になってる。でも、バイクに乗るのに速くなくてもいいし、うまくなくても構わない(ケガしない、死なない程度なら)。みんな教習所なり試験場なりで免許証を取って、「公道走行OK」のお墨付きはもらってるわけだから、変にコンプレックスを持つ必要はないし、無理する必要もないし、背伸びする必要もない。とにかく無事に帰れさえすれば、バイクはそんなにコ難しくこねくり回さなくてもいいんじゃないかと思うわけです。もちろん向上心は趣味を楽しむうえで大切な要素です。でも向上心の向かう先が「速さ」「うまさ」方面に特化しすぎると、ヤバイことになる。バイクって趣味はあくまでも公道が舞台だから、過度の向上心は自分を罠に陥れるし、まわりを危機にさらすことにもつながりかねない……。そんなことを考えながら書いていたら、「魂のライテク」になりました。27ページありますが、まだ言い足りてねーぞ! 次ゴー持って来い、次ゴー!!(←酔っ払ってる)

【P78-83】妄想GTG新聞 ヤングの間でバイクが大フィーバー!
東京五輪が開催される2020年に、バイクの販売台数100万台を達成する……。経産省が力強く宣言したこともあり、今、バイク業界が復活の狼煙を上げようとしています。でもさ、あと5年ですよ。どうなるんだろう。実現できるんだろうか。実現できないとしたら、何が引っかかってるんだろう。実現したとしたら、どんな世の中になるんだろう。そういうことを考えてみたんですが、もっと調べて、もっと書きたい話ですね。ページ数が足りねえ! 次ゴー持って来い、次ゴー!!(←酔っ払ってる←酒ほとんど飲めないくせに)

【P84-85】時空旅人・弥次さん喜多さんの場合
「冒険」特集の治外法権的な飛び地ページ。じゃないかと思います。たぶん冒険にまつわるイラストもしくはマンガのページ? ネコが旅をするのかな。まだ見ていないのでまったく想像がつきませんが、きっと楽しいページだと思います。

【P86-91】ホンダにRC213V-Sでメッセージして欲しかったこと
まったく途方もないバイクだと思うんですよ、ホンダRC213V-Sは。MotoGPマシンがほとんどそのまま公道を走れちゃう、とか、2000万円越えの価格とか……。でも、途方もなくて注目度も高いからこそ、ホンダにはRC213V-Sを使って、まったく新しい「バイクの未来像」を見せてほしかったんですよね。ただ「レーシングマシンが公道を走る」という前時代的な夢を叶えるだけじゃなくてさ……。というお話です。本音を言えば、スーパースポーツじゃなくて、2000万円のツーリングバイクとか2000万円のネイキッドが見たかったな。なんかもう、すげぇの(笑)。「マルケのホイール」とか「オーリンズのサス」とか、そういう分かりやすいレベルじゃなくて、もうね、オレたちの想像をはるかに超えたすげぇモノ。バイクの概念を変えちゃうような、すげぇもの(笑)。オレはメーカーじゃないから、想像すらできない。でも、今という時代のさらに先を見越して作られた、何かすげぇものが見たい。

【P92-93】八っつあん語録
元GPライダーの八代俊二さんが、「バイクかくあるべし!」と熱く語っているはずです。オレも読むのが楽しみ! 八代さんとは近々釣りに行きたいなぁ……。

【P94-101】伊豆スカ問題と二輪業界の大罪
加藤編集長が、具体的な取材データを携えながら、とても大きなテーマに切り込んでいます。これはページになる前の生原稿を読ませてもらったんですが、「もしオレが書くなら、違うことを違う書き方で書くだろうな」と思いました。原稿を前にして、相当議論したし(MT-09のインプレ記事に書いた「カメラマンを待たせた大遅刻」はコレのせい)。そんな具合に、いろんな意見があってしかるべき、難しい問題です。そうだな、いろんな角度からいろんな見方をして、いろんな意見がぶつかり合っていいと思うんだよな。みんな同じじゃないはず。

【P102-107】バイクで困らないために 〜はじめてのこっせつ〜
タイトルから判断するに、1ゴー、2ゴーと「バイクで死なないために」を書いてくださったジャーナリスト・柳原三佳さんの、バイクでの骨折体験記、ではないかと思われます。まだ読んでいませんが、これも楽しみ〜。そういえば、柳原さんにはお会いしたことがないんです。ぜひじっくりとお話を伺ってみたい方です。

【P108-113】スタッフコラム
櫻井伸樹、小松男、西藤久美子、原靖隆、永島岳志の5氏+ゴー氏つまりオレの、計6名によるコラム。みんな何書いたのかなー。

【P114】スタッフ紹介&次号予告!?
いわゆる「奥付」ですね。次号があるのかどうか気になって、このページだけ加藤編集長にメールしてもらいました。加藤さんが、こんなことを書いています。

「今後続くかどうかは、この号の売れ行きとワタクシ編集カトウ、高橋剛のヤル気だけです」
「不肖カトウ、剛とも、あふれんばかりのヤル気はあるんです」
「ルールなんてない自由な『ゲッカンタカハシゴー』をまた作りたいなあと夢見つつ、再びお会いできる日までみなさん安全運転で! ピース」

……どっちなんだ!!
やるならやる!
やめるならやめる!!
どっちかハッキリしないことなら、わざわざ言わなくていい!!!
と、オレは思いました。

加藤さんが書いているのは、要するに「続けたい気持ちはあるけど、売り上げ次第です」ということだけど、言わせてもらえばそんなのどんな仕事だって同じですよ。この雑誌に限ったことじゃない。今号に記事を書かせてもらった初代セロー開発者の近藤さんの話じゃないけど、「この雑誌は世の中に必要なんだ。だからどうしても続けたいんだ」と心から思うなら、死に物狂いで、どんな手を使ってでも、続ければいい。作りっぱなしで「ハイあとは売り上げ次第」なんて冷めたこと言ってないで、作った後の「売るための手立て」も含めて懸命に考えて実行しろって話だと思う。「いいモノ、面白いモノを作りさえすれば売れる」なんて時代じゃない。作った後のプロモーションも相当に大事だってことは、今号に載ったMT-09の記事からも明らかだよ。どんなにいいモノを作ったって、存在を知られていなければほとんど意味がないんだ。

オレ? 死に物狂いじゃないですよ!(笑)なりたくてもなれないよ。だって、この雑誌におけるオレの立場は非常に難しいんだ。実名が誌名になっちゃってるし、「主筆」とかいう新聞社なら社長を意味するエラソーな肩書きが付いちゃってるし、オレが宣伝すればするほど手前味噌炸裂でしょう? イヤじゃんそんなの。そんなことしたくないし、見たくないし、できない。正直、今でも「タカハシゴー」なんて誌名はめちゃくちゃ気恥ずかしいし。

それに、自分としてはその場その時で全力を尽くしてるつもりだけど、出来上がった雑誌を見ると「ぎゃー、ああすればよかった」「ぎゃー、もっとこうできた」と反省することばかりだもん。素直にアレコレ宣伝できないよ(今はまだ見てないからアレコレ言えてる)。

ありがたいことに「ゲッカンタカハシゴー」と言いつつオレ以外にもいろんな方が書いたり描いたり撮ったりしてくれてて、それぞれにすごく面白くて素晴らしい。オレの力不足を皆さんが補ってくれて、雑誌としてはとても面白いものになってると思う。でもそれをオレ自身が声高に宣伝するのは、難しいんだよ。「えー、高橋剛でございます。タカハシゴー面白いですよ! 買って買って買ってぇん」なんて言えるわけねーじゃん。

それに、これは皆さんにはあまり関係のない話だけど、売り上げばかり気にしてたらやっぱり思い切ったことは書けなくなるんですよ。買って下さる方たちの顔を具体的に想像すればするほど、キーボードを打つ手が及び腰になる(……手が、及び腰?)。表現とは、基本的に断定的なものだ。「かもしれない」「に違いない」と締めくくる文章は、結論から逃げている。でも、物事を断定的に表現すれば、必ず反対意見が出たり、よく思わない方や、悲しく思う方もいる。「すべての方に喜んでもらいたい」は表現の基本だけど、そこに囚われすぎると、やがて表現は断定を恐れ始める。そうして丸まった表現からは、尖った面白みはなくなる。結果、何でもない雑誌になる。

「尖った面白み」が売り上げにつながるかどうかは分かんないよ。売り方の問題もあるだろうし、パッケージの作り込み方も関係あるだろう。でも、いち表現者としては、絶対多数を狙う=表現を丸めていくことばかり考えてしまうと、もうどうにもつまんねー記事しか書けなくなっちゃうんだよ。理想はさ、絶対多数を狙いながら表現を丸めることなく尖ったままで万人に受け入れられる表現者になること、ですよ。でもまだ力不足でさ……。

でもね。加藤さんがどう思ってるか分かんないけど、オレ自身はバイクについて、まだまだ表現したいことがあるんだ。鈴鹿8耐を見てレースについてももっと伝えたいことがあるなぁと強く思ったし、業界についても言いたいことがあるし、世の中とバイクの関わりについての考えもあるし、バイクそのものの素晴らしさを伝えていきたいし、いろいろ、いろいろ考えてる。もし加藤さんがそこに面白みを感じて「ゲッカンタカハシゴー」を始めたのなら、「売り上げ次第でござい……」なんて逃げ腰なことを言ってないで、「剛から表現したいネタが尽きるまで、搾り取るだけ搾り取ってやる。オレはそれをどうにか売れる商品にしてやる。どうにか売ってやる」という気概を見せてほしいッス!!

……えと、何の話だっけ?(笑)

2015年7月19日日曜日

第3ゴー制作完了。7月24日(金)発売

「バイクに乗っている限り、いつ、何が起こるか分からない。あなたがどんなに万全の備えを施し、細心の注意を払いながらライディングしていても、ドン! 突然の出来事はいつでも起こり得るのだ。
 予期せぬ出来事に直面しても、決して諦めてはいけない。ギリギリの瞬間まで持てる技能と精神力をフルに発揮して、どうにか自分を生かすために、もがかなければいけない」
(第3ゴー「魂のライテク」より)

第3ゴーの制作が終わりました。〆切を越えて大日本印刷の皆さんをお待たせし、さらにギリギリの線を越え、崖から足を踏み外しかけたところ、だったようです。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

そんなこともあって、最終局面では加藤編集長から小1時間おきに催促と状況確認の電話が入りました。そのつど気持ちが途切れ、文章の世界に自分を引き戻さなければいけないのには参りましたが(笑)、電話のたびに加藤さんの声が疲弊していくのが分かり、こちらも申し訳なく……。お疲れさまでした。そしてありがとうございました。

今はまだ、頭の中をホカホカの言葉たちが飛び回っていて、ずっと寝ていない僕を寝かせてくれません。もう何時間起きているんだろう。落ち着いてくれるといいのだけれど。体は弱り切っているのにな……。

さて、第3ゴーの特集テーマは「冒険」です。この時点では、僕は雑誌全体を見渡しておらず(表紙も見ていないんですよ!)、自分が書いた記事のことしか分からないので、どんな「冒険の書」になっているのか楽しみです。

今回は、たくさんの方たちに話を聞かせてもらいました。ガッツリしたインタビューとしては、冒険ライダーの風間深志さん、そしてヤマハ初代セロー開発者の近藤充さんの記事を展開しています。

初代セロー開発者の近藤さんは、「セローの生みの親」。この5月でヤマハを定年退職されるにあたり、ヤマハ社員というお立場では最後のインタビューをさせていただきました。「そんな大役を……」と畏れ多かったのですが、近藤さんのお話はとても熱くて面白く、ぐいぐい引き込まれていきました。

オフロードバイクと言えばパフォーマンス重視だった80年代半ば、当時は誰もイメージできなかったトコトコ系のセローを頭に描いた若き近藤さん。そして「これは絶対に作るべきバイクだ」という強固な信念のもとに、職域を飛び越えながら開発に取り組むのです。逆風を吹き飛ばしながら突き進んでしまうチャレンジャー。もはやサラリーマンのやり方ではなく、「ただのバイク好き」でしかありません(笑)。

書き上げた記事は、果たして累計10万台超のセローの魅力と近藤さんの熱量を伝えられているかどうか……。いつものごとく自信はありませんが、近藤さんの定年退職祝いということで、ぜひお読みいただければと思います。

風間深志さんのお話は、お名前の通り、深いです(笑)。北極、南極、エベレストにバイクで行ってしまった人だけあって、なんともスケールがデカく、言葉のひとつひとつに重みと多角的な意味がありました。

風間さんとは、'98年に一緒にニュージーランドに行っています。僕はそれが初の海外渡航で、風間さん、宇崎竜童さん、根津甚八さんという錚錚たるメンバーのバイク旅を取材する仕事でした。大きなプロジェクトの端っこでニュージーランドの美しさに感動し、出発直前に買った一眼レフカメラのシャッターをひたすら切ったことを覚えています。

今回、インタビューのために風間さんの事務所を訪れると、風間さんはニュージーランド行に僕がいたことは覚えていませんでしたが、なんと、その時に作った冊子がすぐ取り出せる場所に置いてあったんです。僕が書き、写真を撮ったニュージーランド記事部分には、付箋が貼ってありました。

うれしくて懐かしくて、パラパラとめくらせてもらうと、てんで力不足でやんの(笑)。今ならもう少しいい記事書けるのになー、と思いつつも、17年も前の薄い冊子がこうして取っておいてもらえてるなんて、その時できることは精一杯やっていたのかな、と、感慨深いものがありました。

自分で書いたものを後で読み返すと、いつも情けなくて、「今ならもっとできるのに」と思う。でも、自分なりに手を抜いていないことだけは分かる。何かやろうとしている気配も感じる。今までどれだけの量の文章を書いてきたか想像もつきませんが、そのつど全力なら、それでいいかな。

このブログ記事の冒頭に一部載せましたが、今回は「魂のライテク」という記事も書きました。27ページあるのに、いわゆるテクニックはほとんど書いていません(笑)。「心構え集」と思っていただければ。皆さんのバイクライフの何かの役に立……つのか?

とにかく、今の時点では僕には第3ゴーの全体像が分からないので何とも言えませんが、僕以外の人も記事を書いてくださっているし、力のあるイラストレーターさんたちが絵を寄せてくださり、優秀なカメラマンの方たちに写真を撮ってもらい、有能なデザイナーさんたちにレイアウトしてもらい、加藤編集長もヘロヘロになりながら入稿作業をしてくれたので、きっと面白い本になっていると思います。

大日本印刷の皆さんが総力を挙げて印刷してくだされば、7月24日(金)に発売される予定です。その日の僕は、きっとエアコンがガンガン効いた鈴鹿サーキットのメディアセンターでガタガタ震えていると思いますが、皆さんは真夏の日差しのもと汗だくになりながら、ぜひ本屋さんに足を運んでいただければ幸いです。


ところで、僕が第3ゴーで1番気になっているのは、P114奥付です。過去2号では、ここには目次と次号予告が載っています。果たして今回は、第4ゴーについて予告されているのか。されているとしたら、発売日はいつなのか……。予告されてるのかなぁ……。どうなんだろう。

2015年6月19日金曜日

ガスト7時間半耐久編集会議レポート

6月18日19時30分、小雨舞う埼玉県入間市内にてスタートした“真梅雨の祭典”ガスト7時間半耐久編集会議は、翌19日3時、無事にチェッカーフラッグが振られた。

今回のガス耐には、「ゲッカンタカハシゴー」加藤裕編集長と、ライターの高橋剛が参戦。「ゲッカンタカハシゴー・第3ゴー」の特集テーマに沿いながら、バイクの魅力や面白さについて延々と語りまくった。

ガス耐の話題は、98%バイクについて。

「バイクって、つくづくバッカみてえでくだらねえ乗り物だよねー」
「やっぱ何だかんだ言って危ないしさー」
「だから面白いし、乗る意味もあるんだけどねー」
「この乗り物にはどんな未来が待ってるのかねー」
「バイク業界のココが問題だよねー」
「レースはこうした方がいいのにねー」

といった遠大なテーマから、

「あのバイクのココが好きだ」
「ココが嫌いだ」
「この間行ったアソコが面白かった」
「青物ジギングの決め手はジグサイズとジャークだ」

といった些末なテーマまで、実に幅広い内容が話し合われた。

彼らの目的は、皆さんに面白いと思っていただける雑誌を作ること。くだらねえ与太話をいかにして企画に落とし込むか、いやそうじゃねえだろう、こっちの方がいいだろう、それならこうした方がいいんじゃねえか、といった熱い討議がまとまりなく展開し、一時は両者ともに脳がオーバーヒート寸前に陥り、あくびを連発。あわやというシーンもスイーツの補給により辛うじて乗り切り、ヘロヘロになりつつも喜びの完走を迎えた。



【加藤裕編集長・談話】
1ゴー、2ゴーとも全力を尽くしたが、第3ゴーの制作にあたっては今まで以上の知恵と努力とスイーツが必要だと分かった。今回はガストに甘んじたが、次回の編集会議は自由が丘スイーツフォレストを舞台にすることも検討したい。

【ライター高橋剛・談話】
バイクの奥深さをより多くの人に伝えたいという思いと、バイクの地位を今より少しでも高めたいという思い、さらには特製本格辛口チゲをミニまぐろご飯セットにするとボリューム過多である、という反省を踏まえながら、ガストには全スイーツに対するホイップクリーム増量を強く希望する。

【レースデータ・加藤裕】
●トマトソーススパゲティ&ドリンクサラダセット
●ぷるぷる黒糖ゼリー バニラアイス添え

【レースデータ・高橋剛】
●特製本格辛口チゲ&ミニまぐろご飯セット
●ミニシーザーサラダ
●ドリンクバー
●濃厚ビターチョコ&バナナサンデー

【レースデータ・両者共通】
●ポテトフライ 山盛り