2015年11月28日土曜日

第4ゴー、ノロノロと始動

第4ゴー、ノロノロと始動しています。企画も台割(雑誌の設計図)もありませんが、僕たちにはエネルギーがあって、その放散の方向性が概ね見えてきました。真っ赤な溶岩がドロドロと流れ始めた感じかな。こいつを冷やしながら、形を整えていきます。熱くてつらくてやっかいで、だから楽しみです。

つい今しがた、そうツイートしました。

現状、ご報告できるような「形になっている何か」はありませんが、形にしていく意志はかなり強固なものがあります。というのは、僕たちはバイクという乗り物に対して、バイクという乗り物を作っている人たちに対して、バイクという乗り物を伝える人たちに対して、かなりの危機意識を持っています。この乗り物がどうなっていくのか、どうしようとしているのか、どう伝えるべきなのか、真剣に考えたい。

今、僕たちは、ただ「バイクっていいね」「バイクって楽しいね」とだけ謳うこともできる。でも、もはやそれだけではバイクの未来は覚束ないようにも感じます。少なくともメディアの端っこにぶら下がっている僕たちとしては、些細な物事でも多面的によくよく考えたうえで、その物事に対する自分たちなりの意見を築き、そこに立脚した伝え方をしたい。

それが時には、「いいね」「楽しいね」かもしれない。でも時には、「いいね」「楽しいね」では済まないかもしれない。根本的にはバイクは素晴らしい乗り物だと思っているけれど、それだけでは済みそうにない。大好きなバイクや、バイクという乗り物を取り巻くあれこれに対して、「NO」と言わなければならない時があるかもしれない。でも、そこから逃げちゃいけないんだ。……きっと。

バイクに未来はあるのかどうか、分かりません。世の中の進む方向を大ざっぱに見定めれば、バイクが生き残る余地はほとんどないようにも感じます。生き残れる可能性があるとすれば、それは……。

てなことを延々考え、話し合いながら(=ファミレスに入り浸る)、それを雑誌という商売の形態に落とし込んでいくわけです。

んだよめんどくせーな、バイクなんて四の五の言わずに乗って楽しけりゃいいんだよ! はい終わり終わり。乗りに行くぞブホー。

……確かに。

でも僕たちは、いろいろ考えたいんだ。好きなんだよ、考えるのが(笑)。しょうがねーじゃん。それにさ、「バイクに乗り続けられること」を目標にすると、やっぱり今、まさに今、たくさん考えなくちゃいけないことがある、としか思えないんだ。

ま、一方で「るせーっ、ただ気持ちよく走っていられりゃいいんだよ!!」という思いも、もちろんあります。いずれにしてもアレコレいろんなことがあって、全体的にはグダグダしている。そのアレコレグダグダを、どーにか面白い雑誌としてひとつのパッケージにできないかな、と思ってるわけです。

何をテーマにして、何を、どう扱うか。先のツイートのように、具体的な事柄は何ひとつ決まっていません。でもいいんだ。全然いいよ、そんなの。だいたいの方向が決まってるからさ。あとは何とかなるよ。


これは9月にスポーツランドSUGOで試乗したYZF-R1M。エンジンがどうとか、ハンドリングがどうとか、そういうインプレ的な視野ももちろんあるんだけど、このバイクはそれ以上に考えなくちゃいけないことがある。作った人に聞いてみたいことがある。例えばまぁ、そんな感じ。

2015年9月7日月曜日

第4ゴー刊行決定

出るのか!
出ないのか!!

ハッキリしないことにかけては天下一品のゲッカンタカハシゴー。「どこが『ゲッカン』なんだ!」という以前の問題として、そもそも不定期刊行というあやふやさです。今風に言うなら、ゆるふわ?

そういえばファミレス編集会議において、加藤編集長もオレもなかなかメニューが決まりません。ピンポーンと呼び鈴を押し、店員さんに注文を取りに来てもらっておいて、「あ、いや、ちょっと待ってください。コッチもいいなぁ……。やっぱソッチもいいね……」などと忙しい店員さんをお待たせすることもザラです。

しかし先日、愛聴しているAMラジオで(サンバーの窓を開けてアンテナを手で伸ばしAMラジオを聞くって、なかなかの現場感ですよね!)「優柔不断は悪いことじゃない」という説得力満点の話を聞いて以降、今まで以上にファミレスにおける発注時間が長くなりました。

……何の話だっけ?

そうだ。第4ゴーを出すか、出さないかという話だ。丁々発止唯々諾々毒々モンスター(「々」が使いたかっただけ)の打ち合わせが行われたのは、9月2日夜のガストです。加藤編集長とオレにしては珍しく和やかなムードの中始まった会合では、第1〜3ゴーの反省点、生々しい売上げ、さらには今後の展望などが話し合われました。

序盤、加藤編集長はドリンクバーのみで、オレはドリンクバー&温泉卵のシーザーサラダ。すでに三栄書房からは「続けたら?」という弱々しくも前向きな意向を示してもらっているという話で、あとは加藤さんとオレの間で「どうすっか?」という状態でした。

廃刊か、継続か。休止か、続行か。年刊か、日刊か……。全方位から検討しました。売却も考えました(←ウソ)。何しろいろいろと問題児な雑誌だし、今後さらに問題児化しそうな気もするので、刊行に及んではさまざまな意味で覚悟や踏ん切りが必要です。加藤さんとしては「出したい」という気持ちはあっても、それが(特にオレに対して)どのような影響を及ぼすかを考えると、気軽に「やろうぜ!」とは言えないわけです。

彼は何だかんだ生活が保障されている会社員であり、オレは何ひとつとして後ろ盾のないフリーランスです。加藤さんが会社という保護カプセルの中から「やろうぜやろうぜ!」とけしかけて、フリーのオレを追い込むわけにはいかない、と。

でもさ、いいんじゃねえかと思うわけですよ。「やってみねえと分かんねえじゃん!」と後先を考えずに突撃するバカさ加減って、それこそバイク乗りっぽいなと。

バイクに乗るってこと自体、決して合理的かつ冷静な選択じゃない。どこかおかしくて、何か熱いものがあって、そして、完全にどうかしてるからこその選択でしょう。それってもう理屈じゃなくて、生き様そのものだよ。バイクに乗るような人間だから、バイクに乗るんだとしか言いようがない。だったら、おかしくて熱くてどうかしてるまま突っ走るしかないんじゃねえかと。

まあ、そんな話をグダグダしながら、いつしか加藤さんはトマトソーススパゲティを(確か)、オレは柔らかひれかつ和膳などを追加注文し、「じゃ、4ゴー目もやるか」という結論に達したのでした。

後日、改めて加藤編集長から「会社からも確定的GOサインをもらった。行くぞやるぞ!」と連絡がありました。「発売日は未定だけどな!」とも。

というわけで、第4ゴーを出すということは確定したものの、その他もろもろ未定な部分だらけなゲッカンタカハシゴーですが、ゆるふわ的に見守っていただけると幸いです。いろいろ決まり次第、あいや、なかなか決まらないことも含めて、グダグダと情報発信もしていく所存です。よろしくお願いいたします。

2015年7月28日火曜日

第3ゴー告知&内容紹介&次号について

ゲッカンの原稿を書き終えてヘロヘロになったところで外ロケが続き、そのまま鈴鹿サーキットに幽閉され、鈴鹿8耐終了後も取材続きで、水曜からはちょっくら渡英と、世の中の動きから完全に途絶しています。皆さんお元気でしょうか?「ゲッカンタカハシゴー・第3ゴー」、いまだに自分の手で実物を持っておらず、本当に実在するのか実感が持てません。

でも、ありがたいことに何人かの方が「買ったよ〜」「読んだよ〜」とツイッターなどで報告してくださったので、どうやら第3ゴーは無事7月24日(金)に発売されたようです。ありがとうございます。おかげさまで、こうして堂々と告知できます。愛と勇気の出版元・三栄書房のウェブサイトにも載ってます

相変わらず表紙はイラスト+キャッチコピー1本のみ。


例によって、表紙を見ただけではどんな内容かまったく分からないミステリアスな雑誌になっておりますので、目次にもとづきながら内容をご紹介してみたいと思います。7月28日(火)現在、本当にまだ実物を見ていない(!)ので、自分が書いたページ以外のことは詳しく分からなくてごめんなさい。

【P4-5】写真家・永島岳志のバイクのある日常
力のある若きカメラマン&編集者、永島氏の撮り下ろし写真。本誌の編集業務にも携わってくれている永島氏。まだ見ていませんが、きっと素晴らしい写真があなたの心をえぐることでしょう。

【P6-23】YAMAHA MT-09よ、なぜキミは売れているのか?
MT-09、売れてるんスよ。なんかよく分かんないんですよねー。いや売れるのはすごくイイことだし、イイバイクだとも思うんだけど、「えーなんでー?」って疑問が拭えなくて。というわけで、クエスチョンマークを頭にMT-09を走らせた「インプレゴー・MT-09に乗った」と、ヤマハのMT-09開発者や営業担当に話を聞いた「研ぎ澄まされた曖昧」の2本立て。うまく時代をつかんだ巧妙な仕組みが見えてきました。

【P24-50】特集「冒険」バイクで自分を切り拓け
加藤編集長が「第3ゴーの特集は冒険だ!」と決めた時、個人的には「どうかなあ」と疑問でした。「バイク」と「冒険」ってすごくベタな間柄なので。でも、取材に協力してくださった方たちや寄稿してくださった皆さんのおかげで、とても面白い特集になったのではないかと思います。

・P26-31 冒険家・風間深志の場合
「バイク」そして「冒険」と言えば、この方、風間さんをおいて他にいません。何しろバイクで北極南極エベレストに行っちゃった人ですからね。「バイクで」って言っても、ほとんど押していくわけですから、もうね、何考えてるんでしょうか。と、いうことで、何考えているのか聞いてきました。「冒険そのものについて」というよりも、風間さんのモノの見方・考え方、そして生き方についてイキイキと語っていただいています。率直でありながら非常に深い言葉の数々は、実体験をした人ならではのもの。話を聞き、書きながら、「ああ、バイクに乗るっていいもんだなぁ」「生きてるって素晴らしいなあ」と素直に思えました。

・P32-37 初代セロー開発者・近藤 充の場合
オフロードバイクがパフォーマンスを追いかけていた80年代半ばに、「のんびりとことこ、歩くような速度で楽しめるオフロードバイクこそ必要なんだ!」と思ってしまったヤマハの開発者、近藤さん。思っちゃったらしょうがない。「そんなの売れるわけがないだろう!」という逆風に抗いながら、職域を飛び越えて「自分が作りたいバイク」=初代セローを作ってしまいます。ニッポンのサラリーマンにあるまじきチャレンジングスピリッツは、まさに「冒険家」。その熱き心をダイレクトに表現したつもりです。セローを手放したことを後悔してます……。

・P38-43『ガルル』副編集長・櫻井伸樹の場合
本誌立ち上げの時からいろいろ協力してくれている櫻井氏の冒険譚。厳寒豪雪の真冬の北海道を、カブで走っちゃったというお話のようです。まだ読んでいませんが、バイク乗りなら誰でも持っている冒険心がくすぐられるはずです。

・P44-49 編集者&写真家・永島岳志の場合
まだバイクの免許を持っていない永島氏ですが、自転車で世界各国を放浪したというツワモノです。ここではその自転車冒険譚を披露してくれたようです。まだ読んでいませんが、2つ輪っかの乗り物で冒険することの意味に鋭く迫っているはずです。

・P50 SPIRIT OF ADVENTURE
えーと、冒険の締めくくり的な何かを書きました。確か……。

【P51-77】ゲッカンタカハシゴー的 魂のライテク
「ライテク」って何だろうって、よく考えるんですよね。「ライテク」の多くは、実は公道にはほとんど不要なスポーツテクニック、もしくはレーシングテクニックじゃねーかと。モロに言わなくても、「ライテク」って、「速くなること」「うまくなること」が大きな目的になってる。でも、バイクに乗るのに速くなくてもいいし、うまくなくても構わない(ケガしない、死なない程度なら)。みんな教習所なり試験場なりで免許証を取って、「公道走行OK」のお墨付きはもらってるわけだから、変にコンプレックスを持つ必要はないし、無理する必要もないし、背伸びする必要もない。とにかく無事に帰れさえすれば、バイクはそんなにコ難しくこねくり回さなくてもいいんじゃないかと思うわけです。もちろん向上心は趣味を楽しむうえで大切な要素です。でも向上心の向かう先が「速さ」「うまさ」方面に特化しすぎると、ヤバイことになる。バイクって趣味はあくまでも公道が舞台だから、過度の向上心は自分を罠に陥れるし、まわりを危機にさらすことにもつながりかねない……。そんなことを考えながら書いていたら、「魂のライテク」になりました。27ページありますが、まだ言い足りてねーぞ! 次ゴー持って来い、次ゴー!!(←酔っ払ってる)

【P78-83】妄想GTG新聞 ヤングの間でバイクが大フィーバー!
東京五輪が開催される2020年に、バイクの販売台数100万台を達成する……。経産省が力強く宣言したこともあり、今、バイク業界が復活の狼煙を上げようとしています。でもさ、あと5年ですよ。どうなるんだろう。実現できるんだろうか。実現できないとしたら、何が引っかかってるんだろう。実現したとしたら、どんな世の中になるんだろう。そういうことを考えてみたんですが、もっと調べて、もっと書きたい話ですね。ページ数が足りねえ! 次ゴー持って来い、次ゴー!!(←酔っ払ってる←酒ほとんど飲めないくせに)

【P84-85】時空旅人・弥次さん喜多さんの場合
「冒険」特集の治外法権的な飛び地ページ。じゃないかと思います。たぶん冒険にまつわるイラストもしくはマンガのページ? ネコが旅をするのかな。まだ見ていないのでまったく想像がつきませんが、きっと楽しいページだと思います。

【P86-91】ホンダにRC213V-Sでメッセージして欲しかったこと
まったく途方もないバイクだと思うんですよ、ホンダRC213V-Sは。MotoGPマシンがほとんどそのまま公道を走れちゃう、とか、2000万円越えの価格とか……。でも、途方もなくて注目度も高いからこそ、ホンダにはRC213V-Sを使って、まったく新しい「バイクの未来像」を見せてほしかったんですよね。ただ「レーシングマシンが公道を走る」という前時代的な夢を叶えるだけじゃなくてさ……。というお話です。本音を言えば、スーパースポーツじゃなくて、2000万円のツーリングバイクとか2000万円のネイキッドが見たかったな。なんかもう、すげぇの(笑)。「マルケのホイール」とか「オーリンズのサス」とか、そういう分かりやすいレベルじゃなくて、もうね、オレたちの想像をはるかに超えたすげぇモノ。バイクの概念を変えちゃうような、すげぇもの(笑)。オレはメーカーじゃないから、想像すらできない。でも、今という時代のさらに先を見越して作られた、何かすげぇものが見たい。

【P92-93】八っつあん語録
元GPライダーの八代俊二さんが、「バイクかくあるべし!」と熱く語っているはずです。オレも読むのが楽しみ! 八代さんとは近々釣りに行きたいなぁ……。

【P94-101】伊豆スカ問題と二輪業界の大罪
加藤編集長が、具体的な取材データを携えながら、とても大きなテーマに切り込んでいます。これはページになる前の生原稿を読ませてもらったんですが、「もしオレが書くなら、違うことを違う書き方で書くだろうな」と思いました。原稿を前にして、相当議論したし(MT-09のインプレ記事に書いた「カメラマンを待たせた大遅刻」はコレのせい)。そんな具合に、いろんな意見があってしかるべき、難しい問題です。そうだな、いろんな角度からいろんな見方をして、いろんな意見がぶつかり合っていいと思うんだよな。みんな同じじゃないはず。

【P102-107】バイクで困らないために 〜はじめてのこっせつ〜
タイトルから判断するに、1ゴー、2ゴーと「バイクで死なないために」を書いてくださったジャーナリスト・柳原三佳さんの、バイクでの骨折体験記、ではないかと思われます。まだ読んでいませんが、これも楽しみ〜。そういえば、柳原さんにはお会いしたことがないんです。ぜひじっくりとお話を伺ってみたい方です。

【P108-113】スタッフコラム
櫻井伸樹、小松男、西藤久美子、原靖隆、永島岳志の5氏+ゴー氏つまりオレの、計6名によるコラム。みんな何書いたのかなー。

【P114】スタッフ紹介&次号予告!?
いわゆる「奥付」ですね。次号があるのかどうか気になって、このページだけ加藤編集長にメールしてもらいました。加藤さんが、こんなことを書いています。

「今後続くかどうかは、この号の売れ行きとワタクシ編集カトウ、高橋剛のヤル気だけです」
「不肖カトウ、剛とも、あふれんばかりのヤル気はあるんです」
「ルールなんてない自由な『ゲッカンタカハシゴー』をまた作りたいなあと夢見つつ、再びお会いできる日までみなさん安全運転で! ピース」

……どっちなんだ!!
やるならやる!
やめるならやめる!!
どっちかハッキリしないことなら、わざわざ言わなくていい!!!
と、オレは思いました。

加藤さんが書いているのは、要するに「続けたい気持ちはあるけど、売り上げ次第です」ということだけど、言わせてもらえばそんなのどんな仕事だって同じですよ。この雑誌に限ったことじゃない。今号に記事を書かせてもらった初代セロー開発者の近藤さんの話じゃないけど、「この雑誌は世の中に必要なんだ。だからどうしても続けたいんだ」と心から思うなら、死に物狂いで、どんな手を使ってでも、続ければいい。作りっぱなしで「ハイあとは売り上げ次第」なんて冷めたこと言ってないで、作った後の「売るための手立て」も含めて懸命に考えて実行しろって話だと思う。「いいモノ、面白いモノを作りさえすれば売れる」なんて時代じゃない。作った後のプロモーションも相当に大事だってことは、今号に載ったMT-09の記事からも明らかだよ。どんなにいいモノを作ったって、存在を知られていなければほとんど意味がないんだ。

オレ? 死に物狂いじゃないですよ!(笑)なりたくてもなれないよ。だって、この雑誌におけるオレの立場は非常に難しいんだ。実名が誌名になっちゃってるし、「主筆」とかいう新聞社なら社長を意味するエラソーな肩書きが付いちゃってるし、オレが宣伝すればするほど手前味噌炸裂でしょう? イヤじゃんそんなの。そんなことしたくないし、見たくないし、できない。正直、今でも「タカハシゴー」なんて誌名はめちゃくちゃ気恥ずかしいし。

それに、自分としてはその場その時で全力を尽くしてるつもりだけど、出来上がった雑誌を見ると「ぎゃー、ああすればよかった」「ぎゃー、もっとこうできた」と反省することばかりだもん。素直にアレコレ宣伝できないよ(今はまだ見てないからアレコレ言えてる)。

ありがたいことに「ゲッカンタカハシゴー」と言いつつオレ以外にもいろんな方が書いたり描いたり撮ったりしてくれてて、それぞれにすごく面白くて素晴らしい。オレの力不足を皆さんが補ってくれて、雑誌としてはとても面白いものになってると思う。でもそれをオレ自身が声高に宣伝するのは、難しいんだよ。「えー、高橋剛でございます。タカハシゴー面白いですよ! 買って買って買ってぇん」なんて言えるわけねーじゃん。

それに、これは皆さんにはあまり関係のない話だけど、売り上げばかり気にしてたらやっぱり思い切ったことは書けなくなるんですよ。買って下さる方たちの顔を具体的に想像すればするほど、キーボードを打つ手が及び腰になる(……手が、及び腰?)。表現とは、基本的に断定的なものだ。「かもしれない」「に違いない」と締めくくる文章は、結論から逃げている。でも、物事を断定的に表現すれば、必ず反対意見が出たり、よく思わない方や、悲しく思う方もいる。「すべての方に喜んでもらいたい」は表現の基本だけど、そこに囚われすぎると、やがて表現は断定を恐れ始める。そうして丸まった表現からは、尖った面白みはなくなる。結果、何でもない雑誌になる。

「尖った面白み」が売り上げにつながるかどうかは分かんないよ。売り方の問題もあるだろうし、パッケージの作り込み方も関係あるだろう。でも、いち表現者としては、絶対多数を狙う=表現を丸めていくことばかり考えてしまうと、もうどうにもつまんねー記事しか書けなくなっちゃうんだよ。理想はさ、絶対多数を狙いながら表現を丸めることなく尖ったままで万人に受け入れられる表現者になること、ですよ。でもまだ力不足でさ……。

でもね。加藤さんがどう思ってるか分かんないけど、オレ自身はバイクについて、まだまだ表現したいことがあるんだ。鈴鹿8耐を見てレースについてももっと伝えたいことがあるなぁと強く思ったし、業界についても言いたいことがあるし、世の中とバイクの関わりについての考えもあるし、バイクそのものの素晴らしさを伝えていきたいし、いろいろ、いろいろ考えてる。もし加藤さんがそこに面白みを感じて「ゲッカンタカハシゴー」を始めたのなら、「売り上げ次第でござい……」なんて逃げ腰なことを言ってないで、「剛から表現したいネタが尽きるまで、搾り取るだけ搾り取ってやる。オレはそれをどうにか売れる商品にしてやる。どうにか売ってやる」という気概を見せてほしいッス!!

……えと、何の話だっけ?(笑)

2015年7月19日日曜日

第3ゴー制作完了。7月24日(金)発売

「バイクに乗っている限り、いつ、何が起こるか分からない。あなたがどんなに万全の備えを施し、細心の注意を払いながらライディングしていても、ドン! 突然の出来事はいつでも起こり得るのだ。
 予期せぬ出来事に直面しても、決して諦めてはいけない。ギリギリの瞬間まで持てる技能と精神力をフルに発揮して、どうにか自分を生かすために、もがかなければいけない」
(第3ゴー「魂のライテク」より)

第3ゴーの制作が終わりました。〆切を越えて大日本印刷の皆さんをお待たせし、さらにギリギリの線を越え、崖から足を踏み外しかけたところ、だったようです。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

そんなこともあって、最終局面では加藤編集長から小1時間おきに催促と状況確認の電話が入りました。そのつど気持ちが途切れ、文章の世界に自分を引き戻さなければいけないのには参りましたが(笑)、電話のたびに加藤さんの声が疲弊していくのが分かり、こちらも申し訳なく……。お疲れさまでした。そしてありがとうございました。

今はまだ、頭の中をホカホカの言葉たちが飛び回っていて、ずっと寝ていない僕を寝かせてくれません。もう何時間起きているんだろう。落ち着いてくれるといいのだけれど。体は弱り切っているのにな……。

さて、第3ゴーの特集テーマは「冒険」です。この時点では、僕は雑誌全体を見渡しておらず(表紙も見ていないんですよ!)、自分が書いた記事のことしか分からないので、どんな「冒険の書」になっているのか楽しみです。

今回は、たくさんの方たちに話を聞かせてもらいました。ガッツリしたインタビューとしては、冒険ライダーの風間深志さん、そしてヤマハ初代セロー開発者の近藤充さんの記事を展開しています。

初代セロー開発者の近藤さんは、「セローの生みの親」。この5月でヤマハを定年退職されるにあたり、ヤマハ社員というお立場では最後のインタビューをさせていただきました。「そんな大役を……」と畏れ多かったのですが、近藤さんのお話はとても熱くて面白く、ぐいぐい引き込まれていきました。

オフロードバイクと言えばパフォーマンス重視だった80年代半ば、当時は誰もイメージできなかったトコトコ系のセローを頭に描いた若き近藤さん。そして「これは絶対に作るべきバイクだ」という強固な信念のもとに、職域を飛び越えながら開発に取り組むのです。逆風を吹き飛ばしながら突き進んでしまうチャレンジャー。もはやサラリーマンのやり方ではなく、「ただのバイク好き」でしかありません(笑)。

書き上げた記事は、果たして累計10万台超のセローの魅力と近藤さんの熱量を伝えられているかどうか……。いつものごとく自信はありませんが、近藤さんの定年退職祝いということで、ぜひお読みいただければと思います。

風間深志さんのお話は、お名前の通り、深いです(笑)。北極、南極、エベレストにバイクで行ってしまった人だけあって、なんともスケールがデカく、言葉のひとつひとつに重みと多角的な意味がありました。

風間さんとは、'98年に一緒にニュージーランドに行っています。僕はそれが初の海外渡航で、風間さん、宇崎竜童さん、根津甚八さんという錚錚たるメンバーのバイク旅を取材する仕事でした。大きなプロジェクトの端っこでニュージーランドの美しさに感動し、出発直前に買った一眼レフカメラのシャッターをひたすら切ったことを覚えています。

今回、インタビューのために風間さんの事務所を訪れると、風間さんはニュージーランド行に僕がいたことは覚えていませんでしたが、なんと、その時に作った冊子がすぐ取り出せる場所に置いてあったんです。僕が書き、写真を撮ったニュージーランド記事部分には、付箋が貼ってありました。

うれしくて懐かしくて、パラパラとめくらせてもらうと、てんで力不足でやんの(笑)。今ならもう少しいい記事書けるのになー、と思いつつも、17年も前の薄い冊子がこうして取っておいてもらえてるなんて、その時できることは精一杯やっていたのかな、と、感慨深いものがありました。

自分で書いたものを後で読み返すと、いつも情けなくて、「今ならもっとできるのに」と思う。でも、自分なりに手を抜いていないことだけは分かる。何かやろうとしている気配も感じる。今までどれだけの量の文章を書いてきたか想像もつきませんが、そのつど全力なら、それでいいかな。

このブログ記事の冒頭に一部載せましたが、今回は「魂のライテク」という記事も書きました。27ページあるのに、いわゆるテクニックはほとんど書いていません(笑)。「心構え集」と思っていただければ。皆さんのバイクライフの何かの役に立……つのか?

とにかく、今の時点では僕には第3ゴーの全体像が分からないので何とも言えませんが、僕以外の人も記事を書いてくださっているし、力のあるイラストレーターさんたちが絵を寄せてくださり、優秀なカメラマンの方たちに写真を撮ってもらい、有能なデザイナーさんたちにレイアウトしてもらい、加藤編集長もヘロヘロになりながら入稿作業をしてくれたので、きっと面白い本になっていると思います。

大日本印刷の皆さんが総力を挙げて印刷してくだされば、7月24日(金)に発売される予定です。その日の僕は、きっとエアコンがガンガン効いた鈴鹿サーキットのメディアセンターでガタガタ震えていると思いますが、皆さんは真夏の日差しのもと汗だくになりながら、ぜひ本屋さんに足を運んでいただければ幸いです。


ところで、僕が第3ゴーで1番気になっているのは、P114奥付です。過去2号では、ここには目次と次号予告が載っています。果たして今回は、第4ゴーについて予告されているのか。されているとしたら、発売日はいつなのか……。予告されてるのかなぁ……。どうなんだろう。

2015年6月19日金曜日

ガスト7時間半耐久編集会議レポート

6月18日19時30分、小雨舞う埼玉県入間市内にてスタートした“真梅雨の祭典”ガスト7時間半耐久編集会議は、翌19日3時、無事にチェッカーフラッグが振られた。

今回のガス耐には、「ゲッカンタカハシゴー」加藤裕編集長と、ライターの高橋剛が参戦。「ゲッカンタカハシゴー・第3ゴー」の特集テーマに沿いながら、バイクの魅力や面白さについて延々と語りまくった。

ガス耐の話題は、98%バイクについて。

「バイクって、つくづくバッカみてえでくだらねえ乗り物だよねー」
「やっぱ何だかんだ言って危ないしさー」
「だから面白いし、乗る意味もあるんだけどねー」
「この乗り物にはどんな未来が待ってるのかねー」
「バイク業界のココが問題だよねー」
「レースはこうした方がいいのにねー」

といった遠大なテーマから、

「あのバイクのココが好きだ」
「ココが嫌いだ」
「この間行ったアソコが面白かった」
「青物ジギングの決め手はジグサイズとジャークだ」

といった些末なテーマまで、実に幅広い内容が話し合われた。

彼らの目的は、皆さんに面白いと思っていただける雑誌を作ること。くだらねえ与太話をいかにして企画に落とし込むか、いやそうじゃねえだろう、こっちの方がいいだろう、それならこうした方がいいんじゃねえか、といった熱い討議がまとまりなく展開し、一時は両者ともに脳がオーバーヒート寸前に陥り、あくびを連発。あわやというシーンもスイーツの補給により辛うじて乗り切り、ヘロヘロになりつつも喜びの完走を迎えた。



【加藤裕編集長・談話】
1ゴー、2ゴーとも全力を尽くしたが、第3ゴーの制作にあたっては今まで以上の知恵と努力とスイーツが必要だと分かった。今回はガストに甘んじたが、次回の編集会議は自由が丘スイーツフォレストを舞台にすることも検討したい。

【ライター高橋剛・談話】
バイクの奥深さをより多くの人に伝えたいという思いと、バイクの地位を今より少しでも高めたいという思い、さらには特製本格辛口チゲをミニまぐろご飯セットにするとボリューム過多である、という反省を踏まえながら、ガストには全スイーツに対するホイップクリーム増量を強く希望する。

【レースデータ・加藤裕】
●トマトソーススパゲティ&ドリンクサラダセット
●ぷるぷる黒糖ゼリー バニラアイス添え

【レースデータ・高橋剛】
●特製本格辛口チゲ&ミニまぐろご飯セット
●ミニシーザーサラダ
●ドリンクバー
●濃厚ビターチョコ&バナナサンデー

【レースデータ・両者共通】
●ポテトフライ 山盛り


2015年5月12日火曜日

第3ゴー第1回編集会議、異例の早期開催

第2ゴーが発売されて2週間半。早くも第3ゴーの第1回編集会議が埼玉県入間市内のガストにて秘密裏に敢行されました。

出足が著しく遅いことで知られるゲッカンタカハシゴー編集部としては異例な、極めて早いタイミングでの会議。「またしてもよからぬコトを画策しているのではないか」と、関係省庁は警戒を強めています。

GTG編集部の狙いは、ドリンクバー。加藤裕編集長とライター高橋剛は、ココア、メロンソーダ、コーラ、コーヒーなどをたんまり飲みながら、第2ゴーの反省と、来るべき第3ゴーに向けての方向性の確認を行った模様です。

「テーブルには2輪専門誌が山積みされていた」との目撃情報もあり、業界全体の動向を見渡しながら、自分たちのめざすべき表現について模索したとみられています。

調べによると、ミックスピザ1枚、ポテトフライ(山盛り)1皿、ぷるぷる黒糖ゼリーバニラアイス添え(加藤)、濃厚ビターチョコ&バナナサンデー(高橋)を食したふたり。満腹で目がトロ〜ンとし始めたところで、解散したとのことです。

関係筋によると、第2回編集会議も速やかに行われる予定。7月24日発売に向けて、このスタートダッシュの勢いがどこまでもつのか注目されています。


オシャレでスタイリッシュな「MOTO NAVI」誌に少しでも近付くべく、メニューの写真をめいっぱい加工してみました。……ガストだけど。

でもさ、ガストでふたりで2000円って、すっげえリッチな気分なんですけど!

2015年4月24日金曜日

ゲッカンタカハシゴ−、本日奇跡の第2ゴー発売!

第1ゴーで早くも休刊かと危惧された「ゲッカンタカハシゴー」の第2ゴーが、本日(4月24日)発売された模様です。信じられない……。近所に本屋さんがないからまだ目視してないし、信じてないでおこう。壮大なドッキリかもしれない。最終的に加藤編集長がオレの前にひざまづいて「コレ……」と指輪を渡してくれるかもしれない。そしてオレは「オーマイガー、オーマイガー!」と泣き崩れながらそれを受け取るんだ。

特集タイトルは「バカを馬鹿にすんなよ」。表紙からして相当バカです。


第1ゴーでもケニー・ロバーツ御大を題材に遊びまくってくれたRARE ENGINEさんが、持てる画力をムダ遣いし、今回はRC213V-Sプロトタイプで遊んでいます。もうホント、バッカみたい。なによ黄色に花柄って。

特集タイトルはいろいろ考えたんですが、どれをとっても結局は「バイク乗りってバカだよねえ。だから面白いよねえ」というメッセージがこもったもの。最終的に「馬鹿にすんなよ」にしたのは、「バカも捨てたもんじゃないよねえ」と思うからです。

記事中にも書きましたが、「バカ」って言葉は、使う人、使われる人、使う状況によっては、罵倒にもなれば賛辞にもなる。今回の「ゲッカンタカハシゴー」でスポットを当てた「バイクに乗るバカ」は、人に迷惑をかけるような困りもののバカではなく、愛すべきバカ、素晴らしきバカ、バカみたいなバカ、アホみたいなバカ、といった、ポジティブな意味合いでの「バカ」です。

そういう「バカ」は、(それが正しい方向を向いていれば)何かを突破する起爆力になり得る。何やら面白いことを巻き起こす。何だかまわりを幸せにする。そんなことを感じていただければ幸いです。何だよ「幸いです」って。何かかしこまってるな。「ですます」だし。まあ、発売日ですからねー。今日ぐらいはおとなしくしておかなくちゃ。

基本的には雑誌はエンターテイメントなので、難しいことを考えずに楽しんでいただきたい、と思っているのですが、単純に楽しむにしては相変わらず文字量が多い! 大バーゲン大出血サービス、価格当たりの文字量は確実に日本屈指の多さ!! 猛烈な文字の乱舞の中に、バイクとバカのあり方について何か考えるきっかけでも転がってるといいですね(希望的観測)。

「バカ特集」以外でも、ノンフィクション作家・柳原三佳さんの「バイクで死なないために」、加藤編集長がかなり個人的に相当楽しんだ様子のツーリングレポート(オン、オフ2本立て)、そして何と! 元世界GPライダー・八代俊二さんが言いたい放題言ってしまって大丈夫なの的な「八っつぁん語録」もスタートしました。


↑これが目次。なんか左下のあたりに「発売予定」とか書いてあるのは次号予告らしいけど気にしないように。

そして第1ゴーと第2ゴーの最大の違いは、広告が入っていること! すげえ。第1ゴーに関する反響で多かったのは「広告がないからこそできた雑誌」というものでした。しかし第1ゴー完成後、加藤編集長は「雑誌のあり方はビタ1mmも変えずに広告をいただく!」とフン張ったようです。そして実際、広告が入ることになった第2ゴーも特に強制も束縛もなく、ノビノビとやりたいことをやり、言いたいことを言っちゃってます。

オレたちは誰からも「ああしろ、こうしろ」とは一切言われなかった。もちろん、出来上がったゲッカンタカハシゴーを見て、ご批判やお叱りをいただくかもしれません。でも、それらも全部引っくるめつつ、「バイクの魅力を少しでも多くの皆さんに知ってもらいたい」と純粋にもくろながら、来たるべき第3ゴーに向けいっそう精進しようと思います。第3ゴー、7月24日発売らしいですよ。今から寝溜めしておくか。よし寝よう。春は眠いっ!(高橋剛)

2015年3月23日月曜日

RC213V-Sプロトタイプを見た

ついにこの日が来てしまった。私は、あまりにバッテリーの持ちが悪くなってきたのでそろそろ買い換えたいiPhone5を持ったまま、しばし呆然としていた。画面には「加藤裕」の名と、通話終了の赤いボタン。その赤丸は、私にとって赤信号の点灯そのものであった。

ゲッカンタカハシゴーの加藤編集長からの電話は、いつになく短かった(普段はすげえ長い)。しかし、短いだけに破壊力があり、とりつく島はなかった。

「プルルル、あ、ごう? ゲッカンタカハシゴーのブログ、次いつ書くつもり?」
「へ? あ、いや、何にも考えてませんでした」
「あーそう。あっのっさぁ(←似てる)、できれば今日か明日、RC213V-Sについて書いてくんない? っていうのは、明日あたりレーサーズのブログを書くからさ、そこからリンクしたいんだよね。じゃ、よろしく! ブツ。ツー、ツー、ツー」

自由意志でノビノビと書いていたブログ。大切に温めてきたブログ。黄身が1ヶ所で固まらないように、たまにコロコロ転がしたりしてたブログ。殻を割って出てくる時は、外からそっと手助けしてあげたブログ。ブログって……ヒナ?

仕事ではアー書ケコー書ケ、コンダケ書ケイツマデニ書ケ、イマ書ケスグ書ケ、ネルナクソスンナ風呂入ルナ書ケ書ケ書ケと何かと縛りごとが多い中、それらに関係なく自由に翼を羽ばたかせ〆切文字量原稿料にいっさい頓着せずただひたすら書きたいように書くことができるヒナ……じゃない、書くことができるブログは、オレにとってガスの元栓、タイヤのエアバルブ、オナラの出口、すなわちガス抜きというか心のよりどころであった。

しかし、ついにこの日が来てしまったのだ。業務命令として「ブログを書け」と言われる日が……。「今日、明日のうちにRC213V-Sについて書く」。こりゃまさに内容および〆切が決められた業務に他ならない。ああもうオレは好き放題に書けるヒナを失って……じゃない、書けるブログを失ってしまったのだ。

翼をもがれたオレ。空から墜ちるオレ。地面に転がり、自らの体に群がってくるアリンコを眺め、そのモゾモゾした感触がくすぐったいな、と思いながら静かに目を閉じるオレ。僕、もう、眠いんだ……。

……。

いや負けるなチクショー!! 好き放題ヒナについて書いてやるぜ!!! あ、違った。RC213V-Sについて書けばいいんですねそうですね。RC213V-Sプロトタイプね。先日、撮影に行ってきたんですけど、なんとタイヤがふたつにエンジンひとつの、いかにもバイクっぽいバイクでしたよ!! はい終了!!!

あ、いや、分かんないな。撮影当日は、カウルをムキムキすることはできなかったんだ。だからカウルをひっ剥がしたらポロポロポロポロッてエンジンが5、6個落ちてくるかもしれない。3月27〜29日の東京モーターサイクルショーではカウルを外して展示するって言ってたし、皆さんその辺じっくりチェックしてみてください。エンジン何個積んでるか。

タイヤはね、確実に2個だった。あ、いや、それも分かんないな。撮影当日はカウルをムキムキすることはできなかったんだ。だからカウルをひっ剥がしたらポロポロポロポロッてタイヤが5、6個落ちてくるかもしれない。モーターサイクルショーではカウルを外して展示するかも、みたいな話もしてたし、皆さんその辺じっくりチェックしてみてください。タイヤ何本積んでるか。

それぐらい、今んとこ秘密だらけなんですよ。撮影現場にはとーぜんホンダの方たちも立ち会ってるから、それとなーくいろいろ聞いてみるんだけど、なーんにも教えてくれない。何か聞いても「あ、それは言えない」「それ? さあ何でしょねえ?」「それは聞かないでよ」「ツーン」といった具合で、まるで箝口令が敷かれてるみたいだ。敷かれてるのか。そうだよね。まだ開発中のプロトタイプモデルをこうして間近で見て、撮影できることでもありがたいことですよ。へえへえ。ありがてぇこってす。げっへへ。

RC213V-Sについては、ゲッカンタカハシゴーの第2ゴーでしっかりとページを割いて紹介します。いやでも紹介って言っても、とにかく今の時点ではホンダのどなたに何を聞いても「ツーン」「シーン」「アワワワワワワ(耳をふさいでギュウッて目ぇつぶってる)」と教えてくれないので、いわゆるマシン解説的な情報はあまり……というかほとんど書けないと思います。エンジンとタイヤの数ぐらいはちゃんと確認したいけど。

が、見れば見るほどいろいろ考えさせられるバイクなのは確かです。いろんな意味ですげえバイクだと思うし、ホントにカウルの中にとんでもない隠し球があるかもしれないし、ホンダが何考えてるのかも知りたいけど「ツーン」だし。そうやってつらつら考えたことをビシャーッと書き綴っていこうと思っています。

↑RC-213V-S。よ〜く見ると、タイヤがふたつであることが確認できる。ああ、今ココにバイクについての感想を書くわけにはいかぬのだ……。書いちゃうとさ、本番原稿(なんかエロい)を書く時に、印象が散っちゃうんだよね。まだ本番ネタ(ますますエロい……)は頭の中で温めておきます。発酵させます。腐敗させますん。させません。

↑撮影しながら、加藤編集長がホンダの人に「エンジン音、聞きたいなぁ。どんな音するんですかね? まだ誰も聞いたことないんですもんね。聞きたいなぁ。聞かせてくれないかなぁ。ダメかなぁ」と言ってるのが聞こえてきて、そのあまりの真剣ぶりに「Youtubeで見られますよ」と言えなくなった……。これはRC213V-Sのエンジン音が聞ける、ホンダ公式動画。動画は2014EICMAの時のもの。18分30秒あたりからマルク・マルケスがRC213V-Sのエンジンをブインブインと吹かしながら登場します。音、聞けまくり。

↑隠微なスポットライトに照らし出されるMカメラマンと加藤編集長があまりに美しくて、ついパチリ。ふたりはアヤシイ関係……ではないと思うけど、本当にアヤシイ関係かもしれないから触れないでおこうっと……。

おわり。


あ、大阪モーターサイクルショーではすでにカウル剥かれてるんだね。エンジン、やっぱり1個っぽいな……。

2015年3月19日木曜日

第2ゴー制作に障壁

フッ、フリッ、フリーランスたるもの、つっ、常に心身を錬磨し、下丹田に力を入れて病魔を追い払い、心頭滅却すれば火も涼し、ちょっ、ちょっとした発熱ぐらいモノともせず、グッ、日々の業務に邁進すべきであ……あ……、バタ。


……なんか熱の出方がおかしい。今までにない破壊力だ。しかも咳や鼻水が出ない。ただひたすら発熱・悪寒・頭痛・関節痛だけだ。いやでもこんなの風邪だ。風邪に決まってる。いやでもなんか違うっぽい。まぁいっか、どうなるか面白ぇから病院行ってみっか。

近所の病院に行くと、フランクな雰囲気の美魔女医さんがしなりしなりと登場した。年の頃は30代半ばだろうか、前をはだけた白衣からシックなアースカラーのセーターを覗かせ、何だよこの人ホントにお医者さんかよ、というぐらいラフな感じでなんつうかカッチョいい。

「風邪だと思うんスけどね」
「……(ニッコリ)」
「っていうか風邪だと信じてるんスけどね」
「……だといいわね。じゃ、調べてみよっか」
「いいけど絶対風邪ッスよ。だって今日オレこれから仕事だし」
「あららら」

長〜い綿棒で鼻の穴をホジホジされ、「あふっ……。ハナクソびろーんって付いてたらどうしよう」と懸念しつつ、いったん待合室に出て控えていると、再び美魔女医さんに呼び出され、「ざーんねん。インフルエンザね。A型よ。お出かけは禁止(はぁと)。どうする? 投薬かお注射か……。どちらでも、お・好・み・で……」などと言われ、おちゅおちゅおっちゅーお注射お注射おおおおねおねおねお願いします、と即刻点滴をしてもらうことにした。


点滴ちっくん自体はおかん的な看護師さんだったが、それはそれでまたよし。10分少々の陶酔の点滴を終えると、受付のお姉さん、「チーン、お会計、3960円になります」。

よよよ4000円!! たっ、高ぇ……。
もしやオレ、いいカモでしたか……?

おわり。


……あーあ。ホントはこんなことじゃなくて、もっと有用な第2ゴーに向けての準備情報などを記すつもりでしたんですよ! 先日、RC213V-Sの撮影などして、いろいろ考えさせられましたとともに着々と制作が進行ひておりまひゅ。体調が戻りひだひ改めてご報告ひましゅね……。(高橋剛)

2015年2月26日木曜日

第2ゴー・第2回編集会議

誰もいない寒々とした三栄書房のミーティングルームで、ぶうぶう言いながら始まった第2ゴー・第2回編集会議。出席者、加藤裕編集長とライターのオレだけ。ああもう、サツバツとするなぁ……。


「カトーさんの先輩ヅラがイヤだ。いいよもう分かったよ。オレはカトーさんの下僕として何でもハイハイ言ってりゃいいんでしょそうなんでしょうよアタマ来るからハイは3回言ってやるハイハイハイってね」
「バカヤロウ、ハイは1回だってあれほど言ってんだろうが。ゴー、仕事では上も下もねえんだよ。オレはどの仕事でもいつもそう思ってる。ただなゴーよ、おまえはかわいい後輩だ。先輩としてひとつ言わせてもらうとだな……」
「キーーーッ! それが先輩ヅラだっつうの!!」

……といった実り少ないやりとりを延々と繰り返しながら、少しずつ核心に迫っていく。

カトーさんとオレは当然のことながら別の人間で、物の見方も考え方も、その表し方も違う。でも「概ねの一致点」とでも言うべきポイントがある。完璧に同じじゃないけど、だいたい同じだよね、という近似値。

一致しているところは、そのままでいい。むしろ「完璧じゃないズレ」の部分を、どう面白さに結びつけていくか、だと思う。ズレを擦りつけ合うわけだから、いちいちザラザラしてめんどくせぇんだ。

「ところでゴー、今何時?」
「えーと、あ、12時過ぎましたね」
「おわーーーーマジか! 10時ぐらいかと思った。あれーーー? だってさっき8時だったよ? ゴーやべえ。電車なくなる!! じゃっ!!」

すべては、少しでも面白いものにしたい、という思いだけ。缶ジュース1本で午後6時から深夜0時まで、6時間の打ち合わせもモノともせず、明るく楽しく頑張っております! ……先輩ならメシぐらいおごれよな……。(高橋剛)

※当ブログは、今後は主に高橋剛が書く予定です。分かんないけど。「ゲッカンタカハシゴー公式Facebookページ 」と同内容となりますので、ご承知おきください。

2015年2月1日日曜日

重大なお知らせ

と、大げさに銘打ってみました! というのもワタクシ加藤にとっての
編集人生の集大成『ゲッカンタカハシゴー』の続編が決定したんです!

去年秋に出した第1ゴーの売れ行きはすでにこのブログで報告したとおり。
ボクの力が至らず実売8,000部弱というその結果は、ウチの会社的には
ギリギリ利益が出た程度で続編の出版は厳しい状況でした。
そうはいっても続編=第2ゴーを出したい、そんな思いを社長に伝えると、
「ならば、業界のみなさんがどれだけ『ゲッカンタカハシゴー』に
期待してくれているか、協力してくれるのかを示してくれ」との宿題が。
ボク自身も「正直にものを言う」という編集方針や第1ゴーの率直な感想を
業界のみなさんに聞いてみたかったので、年末年始にかけて数社を訪問。
果たして、嬉しいくらいの叱咤激励とご協力のお約束をいただけました。
勢い、社長に報告に行くと、「よし、頑張ってみろ」となった次第です。
しかも今度は2号連続。第2ゴーは4月24日、第3ゴーは7月に発売予定です。

ウチのほかの雑誌、特にファッション誌や自動車誌に比べたら、
どんなに頑張っても足元にも及ばない部数しか出ないであろう
我が『ゲッカンタカハシゴー』。それでも「頑張ってみろ」とは、
なかなかウチの会社、いい会社だな……。いや、ウチの会社以上に
この二輪業界で仕事ができて、僕ぁー幸せ。だって、こんな(↓)
「バカ、バカ」という第2ゴーの特集にご協力いただけるんですよー。


この表紙、まだ草案なんですが、中味・内容ともに4月24日の発売に向け、
どんどんブラッシュアップしていきたいと思います。(編集カトウ)

2015年1月24日土曜日

お詫びと『レーサーズ』Vol.31搬入と次号予告です

『レーサーズ』『ゲッカンタカハシゴー』の読者のみなさん、
いつもありがとうございます。まずはお詫びさせてください。
1月5日に発売しました『レーサーズ』特別編集版の43ページに掲載した
ユーゴスラビアGPのリザルトが間違っていました。
のりだ~サンをはじめご指摘いただいたみなさん、
お買い上げいただいたすべての読者のみなさん、申し訳ありません。
掲載されるはずだった本当のユーゴ結果はこちら(↓)です。